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公的年金の変遷

 前の回で確定拠出年金制度は「公的年金を補完する制度」と書きましたが、その公的年金について変遷を少し見てみます。

 

日本の公的年金は、130年以上前の明治8年(1875年)の「海軍退隠令」から始まります。海軍の制度から始まったと言うことですね。民間では昭和15年(1940年)の「船員保険法」から始まっています。

この場合、純粋に船員の将来のために年金制度を導入すると言うよりも、戦時下で船舶会社に人員が集まりにくかったために、人集めの手段として制度導入が行われたようです。

 

戦後は昭和29年(1954年)に厚生年金保険法の大改正で再スタートしています。昭和36年(1961年)には「国民年金法」が実施され、国民階保険制度がスタートしました。ただこの時は専業主婦の国民年金加入は任意加入でした。

 

現在の形になったのは、昭和61年(1973年)に基礎年金制度が始まってからです。よく日本の年金制度は2階建てと言われますが、1階が国民年金、2階が厚生年金(共済年金)ということです。専業主婦も第3号として加入者となりました。

今の年金制度が始まってから、まだ50年たっていないということですね。

 

昭和61年(1973年)に国民皆保険がスタートしたときは、男性の平均寿命が65.3歳、女性の平均寿命が70.2歳でした。これは当時の厚生年金は55歳支給、国民年金は65歳支給でしたから、男性は厚生年金を10年間受給、女性は国民年金を5年間受給することが見込まれるような制度だったと言えます。

 

現在の厚生年金は65歳支給に移行中ですが、会社員の定年制も60歳定年制が施行された平成10年(‘1998年)の高年齢者雇用安定法から、平成25年(2013年)に「希望者全員の65歳までの雇用を義務化」して、65歳定年制へ移行中です。

最近では公的年金の支給年齢を更に遅くするというような議論も始まっています。

 

今の公的年金は65歳支給に移行中と書きましたが、男性は昭和36年4月2日生から、女性は昭和41年4月2日生から65歳支給になります。

 

受給年齢が遅くなる一方で、私たちが支払っている年金保険料はどうなっているのでしょうか?

 

国民年金の支払保険料は平成17年4月から毎年280円引き上げられています。当時の月13,580円から今は月16,900円です。

厚生年金保険料も平成16年10月から毎年0.354%引上げられて、当時の13.58%から18.3%になっています。

 

傾向として私たちが負担する公的年金の支払保険料は高くなり、受給できる年齢は遅くなっています。因みにあくまで目安ですが、厚生年金の支給額はいくらでしょうか。国民年金は年に約78万円(月6.5万円)ですが、厚生年金は現役時代に支払った保険料によって支給額に差があります。

 

例えば平均年収360万円の場合は月額約7万円(年に約84万円)、

平均年収500万円の場合は月額約10万円(年に120万円)、

平均年収600万円の場合は月額約11.5万円(年に約138万円)

になります。(目安です)

 

厚生労働省はモデルケースとして、勤続40年の夫婦(妻:専業主婦)の場合の年金受給額を月23万円としていますので、夫の平均年収が500万円の場合にその水準になります。

 

どうでしょうか。公的年金の支給額は多いと思いますか、少ないと思いますか。

個々人で感じ方は違うと思いますが、一般的には月23万円の年金では生活を維持することは厳しいのではないでしょうか?

できれば月にあと10万円程度の上乗せが望ましいと思います。

次回は個人を取り巻く環境の変化についてです。

 

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