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確定拠出年金とは、こういう制度です(Ⅳ)

 前回は個人型でしたが、今回は企業型について説明します。

企業型は会社単位で採用できる制度ですので、企業型に加入できる方は、会社が企業型確定拠出年金の制度を導入している、その企業に勤務する従業員および役員です。また掛金の上限額は月55,000円となります。

 

企業型には2つのパターンがあります。①掛金を企業が負担する②掛金は従業員が負担する、この2つです。

 

①は主に大企業が導入しているケースが多く、福利厚生制度の一部として利用されています。確定「給付」年金に代わる制度として、会社が掛金を負担していることが多くあります。

 

この制度にはマッチング拠出が認められており、会社が負担する金額と同額まで従業員個人が追加負担できます。(例)従業員Aさんは会社から毎月10,000円の掛金を支払ってもらっています。Aさんが自分で掛金を追加する場合は、会社支払いの10,000円が上限になります。会社から10,000円、自分で上限額10,000円、合計で毎月の掛金20,000円となります。

 

自分で掛けた10,000円については、個人型と同様に税額控除の対象になります。このケースのように勤務先に企業型の制度があり、マッチング拠出をされていない方は、個人型で説明したようにこの制度を利用した方が有利になります。

 

②の掛金は従業員が負担するパターンですが、これは中小企業で導入されることが多くあり、この制度を「選択制」の企業型確定拠出年金といいます。

「選択制」では会社は制度を導入しますが、この制度に加入するかどうかを決めるのは加入資格のある従業員・役員の方です。つまり自分で加入するかどうかを選択できます。

 

この「選択制」では、加入した従業員の掛金は給与の中から支払われますが、掛金の金額を給与額の中に含めないため、所得税と住民税が減り、社会保険料も減ることがあります。

例えば、従業員Aさんは「選択制」確定拠出年金に加入して、毎月20,000円の掛金を支払うことにしました。Aさんの月額給与が300,000円の場合、掛金を支払った後の給与は280,000円になります。所得税・住民税および社会保険料を計算する場合には、給与が280,000円として計算します。

 

これは計算の基礎額が減るために所得税・住民税が減り、社会保険料も減ることになります。社会保険料の場合は、所得税・住民税とは計算の仕方が違いますので、掛金の額によっては減少しないケースもあります。

「選択制」に加入している方、または加入する資格のある方は、自分のケースで試算してみるといいと思います。

 

ご存じの通り社会保険料は労使折半で負担しますので、「選択制」の企業型確定拠出年金は加入者だけでなく、会社にとってもメリットのある制度と言えます。最近では中小企業だけでなく、大企業でも「選択制」を導入する企業が増えています。

 

企業にとっては、従業員さんの将来(老後)資金準備のために福利厚生制度の一部として用意した制度が、その会社自身の負担軽減にもつながると言うことになります。中小企業にとっては利用した方がよい制度だと思う理由の1つです。

 

企業型確定拠出年金の普及率ですが、従業員100名以下の企業への普及率は1%未満と言われています。

では実際の普及率はどうなっているでしょうか

 

企業型確定拠出年金への加入企業数は30,312社(2018年3月)、企業型の加入者数648万人です。

 

日本の会社員数はおおよそ3,500万人と言われますので、加入者数だけ見ると約5人に1人が加入していることになります。制度導入が順調に進んでいるように見えますが、今のところ制度を導入しているのは、従業員数の多い大企業が中心になっています。

 

従業員の人数別に見ると、

従業員 1000名以上の企業の普及率41%

従業員300~999名の企業の普及率20%

従業員100~299名の企業の普及率12%

従業員   99名以下の企業の普及率1%未満

となっています。

 

一般的に考えて、従業員数の多い大企業の退職金と従業員数の少ない中小企業の退職金を比べた場合に、中小企業の退職金の金額の方が少ないと言われます。

ですので、将来(老後)資金を貯める方法である確定拠出年金、税制優遇のあるこの制度は、中小企業に多く普及してもらいたいのですが、現実はそうなっていません。

 

中小企業に制度導入が進まない要因の1つに、年金制度を導入すると経費(コスト)がかかるということがあります。

確かに経費はかかるのですが、選択制の確定拠出年金の場合ですと、会社負担の社会保険料(経費)が減少するというメリットもあり、自社の場合はどうなるかと言うことを丁寧に検証することで中小企業にも負担感なく、制度導入が進められるのではないでしょうか。

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