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「Leaders医院」インタビュー 御所ヶ谷ホームクリニック

地域の方々が気楽に集まれる施設づくり  認知症治療から高齢者問題に立ち向かう

福岡市中央区 御所ヶ谷ホームクリニック 田中耕太郎 院長

開業のきっかけについて伺ってもよろしいでしょうか。

開業は33歳で、通常の医師からするとかなり早かったと思います。大学病院での勤務時代にこれから医療業界はいろいろな意味で厳しくなるなと感じていて、大学に残っていてもやれることは少ないと思い早いタイミングで開業を選択しました。私が強く課題意識を持っていたのは高齢化社会です。医師として高齢化問題に貢献するためには開業が最もやれることが多いなと考えました。病院時代はターミナルケアを担当した時期があったのですが、当時から自宅で亡くなる方も増加傾向にあって、そういった方々やご家族を本当の意味で支えられるようになるためには開業しかないなと思いましたね。

クリニックの強みについて伺ってもよろしいでしょうか。

当院は認知症治療に強みがございます。10年前に中央区にクリニックを移転したのですが、当時中央区には認知症を診れるところがございませんでした。ちょうど精神科の先生が当院に来て下さることになったので、認知症を前面に打ち出す形で集患を始めましたね。

集患の状況について伺ってもよろしいでしょうか。

もともと地域に認知症のニーズも強く、困っている方々も多かったので患者様の数は自然的に増えていきました。現在でも一日あたり20人くらいの方が来院されます。診療時間はだいたい40分~1時間ほどですね。認知症だけでなく往診や老人ホーム等の介護サービスとの組み合わせも考慮して、無理のない診療体系を心掛けています。

認知症治療について詳しく伺ってもよろしいでしょうか。

認知症は一般的には薬も存在せず、治らないといわれています。できないことをできるようにするという治療よりも、機能的に残っている「できる」部分をいかに生かして治療をおこなうかが中心になりますね。薬を使うことで、本来は7~8年で寝たきりになってしまう方が、20~30年に進行を遅らせることは可能です。その間で家族とゆっくり過ごすことができて、自分らしく生きられることをサポートするのが私たちの役割だと思っています。あともう一つ大切なことが、介護するご家族、介護職員への教育的な側面です。介護を専門的におこなう者が正しい情報を発信することがとても重要になります。被介護者が不安にならないようにするにはどういった対応をすべきか、介護者のストレスを理解し、軽減することも重要な役割だと思っています。

認知症介護におけるポイントとはどのようなものなのでしょうか。

一人で介護をおこなうことが最も失敗の原因となります。奥様だけだったり、ご主人だけだったりすると、とても負担がかかります。被害妄想の対象になったり、精神的に追い込まれたりといったりといった問題が起きてしまいます。必ず介護事業者やご家族、そして近所の方々を巻き込んで、認知症介護を一人で抱え込まないことが重要になってきます。また、被介護者の方のできないところを否定して自暴自棄になってやる気を無くしてしまわないように、残っている機能でいかに人生を楽しんでもらうか、しっかりと自立して生きてもらうかという意識が非常に大切です。

医療と介護の連携について詳しく伺ってもよろしいでしょうか。

当院は医療と介護の連携にとても力を入れています。他院と違うところが、老人ホームの回診にもヘルパーさんがついたり、薬剤師さんがついたり、他部門の専門家が一緒にディスカッションして一人の患者様をサポートしています。なぜこういう治療をしているか、互いに情報を出し合って話し合いをおこなっています。

介護をおこなうご家族のための取り組みとしてはどのようなものがあるのでしょうか。

当院では、毎月第4日曜日に、認知症の方を介護されているご家族向けに、家族の会「まいづるの癒しのカフェ」をオープンしています。カフェでは、ご家族同士の交流を目的としており、どなたでも無料でご参加いただけます。交流会以外にも認知症について学べる勉強会なども設けています。先ほども申した通り、いかに介護を一人で抱え込まないかが、介護においては最も大切なことなので、介護されているご家族同士のコミュニティづくりとしておこなっています。医療や介護の施設は、施設だけでやるのではなく、地域の方々を巻き込んでやることが大切だと思っています。地域の方々が暮らしやすいように、施設を利用していただく。地域の方々が安心できる場所、相談できる場所として認識してもらうためにはどうすればいいか、知名度の向上にも力を入れています。

地域の方々に認識していただくためにどのような取り組みをされているのでしょうか。

最近では近辺の方々には知っていただいており、公民館や集会所などでよく講演を頼まれることがあります。地域における講演活動も安心感につながっていると思います。また外部活動としては、保険福祉センターと提携して民生委員さんの講義をおこなったり、歯科医師会・薬剤師会・栄養士会・訪問看護師会との中央区の街づくりプロジェクトにも関わったりしています。他職種との連携も地域の方々に認知していただく大切な機会だと感じています。

最後に、今後の展望について伺ってもよろしいでしょうか。

「高齢者の住まい」が今後は重要になってくると思っています。経済的にも不安がないような住まいを提案できるといいなと考えています。老人ホームではないが、高齢者をサポートできるような住宅事業に取り組みたいですね。また、当院をモデルとして認知症や介護の考え方、やり方を広く伝えるために、講演やその他の活動もおこなっていきたいです。そして、医療介護業界については、「お金をかけずに高齢者を支える仕組み」をつくらないといけないと思っています。制度が破綻してしまう社会保障費の抑制だけに対策を打つのではなく、いろいろなセクターの知恵を出し合ってより効率的に、効果的に高齢者を支えられる制度づくりが必要だと思います。今後も高齢化問題を地域で支え合って解決していける仕組づくりに貢献していけたらなと思います。

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